バイルー内閣の進退と第五共和制の限界

投稿日: カテゴリー: 大熊猫集団の井戸端会議

自然科学の世界でも、相容れない2つの仮説や理論の支持者が真っ向から対立し、実験などにより白黒の決
着がつかない限り、延々と論争が続くことはある。ましてや、いくら科学性の外見を装ってみても人間科学
の一部門であることを免れない経済学では、証明の手続きは粗雑極まりなく、理論的対立は思想・イデオロ
ギーの対立に収斂するほかなく、論争にきっぱりと決着をつけることは期待できない。「緊縮財政」か「積
極財政」か、という議論もその類で、「緊縮財政」支持派からすれば、9月8日に国会の信任を得られそうに
ないバイルー仏首相は正しい政策を提唱しながら、野党陣営の無茶な要求の犠牲になって退陣を強いられる
犠牲者だろうが、「積極財政」派からしたら、さほど根拠があるわけでもない引き締め主義で景気をさらに
悪化させ、国民をいたずらに苦しめようとしている愚か者にしか見えないだろう。大方の予想通りにバイル
ー内閣が退陣し、またぞろストやデモが繰り返される忙しい秋になりそうだが、この事態は確かに、国会の
過半数を握れるとは限らない大統領に無駄に権力が一極集中する第5共和制が制度疲労の限界を迎えている
ことを示しているのかもしれない。内政面で無力化しきってしまった感のあるマクロン大統領だが、今から
でも遅くない、いっそ思い切って第6共和制への移行を提唱して、政治制度の大改革を進めてみてはどう
か?歴史を変える業績を残せるかも。。。