参院選で、「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進したことは海外のメディアでも大きく取り上げられ
ている。参政党は極右、ポピュリストなどのレッテルを貼られており、確かに、海外から見れば、そうした
位置づけになるのもわかるが、江戸時代末期から「外人」との関係構築で適切な距離感を見出すことができ
ないまま極端から極端に揺れ動いてきた日本人の悩ましい心情を多少知っていれば、ことはそれほど単純で
ないこともわかるに違いない。しかし、日本の取材を担当する海外のジャーナリストはいわゆるポリコレ系
の人が多く、しかも、必ずしも日本語の細かいニュアンスまで汲み取れるだけの日本語力を備えていない。
なかには、日本のメディアが発信する英語情報を頼りに取材している人もいるぐらいで、これでは日本の現
実にじかに触れることはかなわず、参政党の主張が日本の有権者に「刺さる」理由は理解できない。単純な
レッテル貼りにとどまるほかない。特に欧米のジャーナリストは日本では優遇されることが多く、交流のあ
る日本人もリベラル系の良識・学識のある人物が大半だから、庶民・大衆の心性には疎いかも知れない。せ
っかく面白い政治現象が生じているのに、ステレオタイプなビジョンで切り取るだけの報道が多いことに失
望している。ただし、翻って、欧州で極右やポピュリストとレッテルを貼られている諸政党の人気の理由に
ついても、紋切り型に陥ることなく、支持者の視座から理解する努力が必要だと改めて感じてもいる。