サノフィ、パリ首都圏の工場を売却へ

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仏製薬大手サノフィはパリ首都圏のメゾンアルフォール市(バルドマルヌ県)にある工場の売却を計画している。6月23日頃に労組に内示し、7月1日付で従業員代表に正式に通知する予定という。
サノフィは、先進性の高い医薬品の開発に注力する方針で、国内の製造部門の見直しを進めている。去る3月には、アスピリン系医薬品を製造のアミイ工場(ロワレ県)を売却する方針を公表。メゾンアルフォール工場の売却も同じ流れに位置づけられる。同工場は1948年に設立され、現在の従業員数は600人弱。注射薬を製造しており、事業の8割は、血液凝固抑制剤のLovenox(エノキサパリンナトリウム)が占めている。年間1億6000本を生産し、国内向けも含めて世界125ヵ国に輸出している。計画では、工場は医薬品製造受託機関(CMO)のドイツ某社に売却されるが、Lovenoxの権益そのものはサノフィが手元に残す。同薬はサノフィにとってかつてのドル箱商品で、特許切れに伴い失速しているが、2024年には9億8200万ユーロの収入を達成していた。