グリュックスマンとドビルパンの両氏、それぞれ大統領選出馬を準備か

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左派の有力政治家としての足場を固めつつあるラファエル・グリュックスマン欧州議員は6月23日、2027年の大統領選挙を意識した「フランスのためのビジョン」を公表した。自らが率いる政策グループ「プラス・ピュブリック」がまとめた100ページ程度の文書で、地方遊説で行った意見交換をもとに策定した。民主主義の擁護を掲げ、エコロジー、労働、社会的正義の3つを政策の柱に掲げた。グリュックスマン氏は、このビジョンに基づいて具体的な政策提言をまとめる作業をこの夏に開始すると予告。経営者団体などを含めて、政策の影響について事前に協議を重ねて、具体的な提言を策定すると説明した。同氏は、自身が大統領選挙に出馬することを決めたわけではないことも確認している。
グリュックスマン氏の場合は、特に左翼政党LFI(不服従のフランス)と同党を率いるメランション氏の阻止を目標に据えており、親欧州で民主主義を堅持する左派を糾合することを自らに任じている。
これとは別に、ドビルパン元首相は「ノーと言える力」と題する新著を刊行し、政治活動に復帰することを明らかにした。ドビルパン氏は、シラク保守政権の番頭役を務めた人物で、政界の表舞台を退いていたが、新党「フランス・ユマニスト」を設立し、自らは名誉党首に就任すると説明。同氏は、LFIと極右RNの間の選択にフランスが閉じ込められてはならないと述べて、大統領選挙への出馬の意欲をちらつかせた。ジャンヌダルクやドゴールなどを引き合いに出し、相変わらず自尊心の強いところをうかがわせた。