注射器襲撃事件

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

フランスではイベントが開催される際などに、人混みに紛れて、注射器で女性を襲撃する事件が繰り返し発
生している。注射器にどんな物質が入っているのか、何が狙いなのか、判然としないが、かりに注入された
のが無害な物質であっても、被害者の心理的ショックは大きい。まして、病原菌などを感染させられてはた
まらない。ネット上でこうした行為を煽る動きがあり、それに呼応して犯行に至るやからがあとを絶たな
い。SNSの弊害を改めて認識させられる。やっている本人は愉快犯的な快感を求めているのかも知れない
が、直接の被害者でなくても、不愉快な事件だ。フランスに長く住んでいるが、フランス社会はますます病
んでいる。もはや安心して暮らせる良識的な社会ではない。反動的な老人のような言い草で申し訳ないが、
公徳心や公共心の欠如が顕著で、病根は深い。教育の崩壊にその一因があるのかも知れないが、それ自体が
社会の荒廃の症状や結果に過ぎない可能性もある。SNSもその共鳴器に過ぎないのだろう。