今年は欧州の北部が異常な乾燥気象に見舞われている。地中海沿岸で近年に頻発していた干ばつや山火事な
どが北上しつつあるのだろうか?これも気候変動の一環か、と考えると、納得はできるが、納得したところ
で何の解決にもならない。各人が日々の小さな省エネ努力を重ねる…程度の微温的な対応ではもはやどうに
もならないレベルに達してしまったのかも知れない、と気候変動の不安や恐怖を肌で感じるほどになったこ
の頃だが、老境の筆者などは気持ちがどんどん萎えるだけで、積極的に何かをしようという気力も失せてし
まっているのが正直なところだ。まして最初からこうした世界に生まれ育ってしまった世代の不安や焦燥感
はいっそう強いだろう。気候不安症・エコ不安症などに陥る若者が多いのも道理だ。ただ地球上の住民の多
くが不安から無気力状態に移行すれば、人の活動による温室効果ガス排出も自然に減って、温暖化の防止に
絶大な効果があるかも知れない。アパシー・シフト、とでも言おうか、自然の均衡維持システムがそんな形
で働いたら、それはそれで面白く、そこらに僅かな希望を託すほかない、などと、ひび割れた地面を見なが
ら不謹慎なことを考えている。