ニースで国連海洋会議

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

南仏のニース市で9日、国連海洋会議が開幕した。13日まで開催される。海洋の保全がどれほど重要かはい
まさら強調するまでもない。フランスは本土が大西洋と地中海に面しているうえに、多数の海外県・領土を
保有する世界有数の海洋大国であり、海洋会議の開催国にふさわしい。米国が海洋環境を含む地球環境の保
全に背を向けつつある中で、マクロン大統領は9日、トランプ大統領の姿勢に批判的な発言を行って注目さ
れた。フランスにとり国際的な影響力を行使するチャンスだ。ただしCOPなどもそうだが、国連の呼びか
けで各国代表が集まって立派な宣言だの合意だのを採択しても事態はさほど改善されない。戦争と同じで、
最後は実行力とそれを支える経済力がものをいう。国連には合意や協定に違反した国に対して厳しい制裁を
加える力がないし、そもそも安全保障理事会の常任国などには環境汚染・海洋汚染の元凶が名を連ねている
のだから、効果的な決定を期待することはできない。主催者や参加者が自己満足に浸るだけの国際会議をい
たずらに重ねることは、大規模な代表団の移動による汚染をさらに悪化させるだけに終わるだろう。こうし
た会議が開催されるたびに、またも単なるお祭り騒ぎか、という白けた気分になってしまう所以だ。