現金決済を廃止すれば麻薬撲滅は可能か

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

フランスのダルマナン法相は、麻薬撲滅対策の一環として、現金決済を完全に撤廃することを提案してい
る。これが実現可能かどうかは議論があり、仏中銀によると、フランスでの決済はまだ現金によることが多
く、フランス人の大半は現金決済を重視しているというのだが、本当だろうか?生活実感として、日常的な
買い物で現金を使う機会はほとんどなくなっており、市場などでも、いまではカードやスマホで支払いがで
きることが多い(嫌がられることもあるだろうけど)。あえて現金のやり取りをするのは、少し後ろ暗いケ
ースが多いのではないか?フランス人の多くが現金にこだわるとしたら、それはまさに、麻薬を買うためで
はないのか、などと勘ぐりたくもなってくる。フランスは、日本と違って、大麻ごときではめったに逮捕さ
れない緩い国だが、都市郊外では麻薬売買の資金に支えられた闇経済圏が成立し、警察も立ち入ることがで
きない無法地帯が拡大していると聞く。法相は、現金を廃止すれば、明日にも麻薬取引に終止符を打てると
主張している。たしかに妙手かも知れず、多少の不便は忍んで、断行してみたらいいのでは、とも思うが、
犯罪者というのは実に奥深い知恵を備えているから、きっと現金にかわる手段をすぐに見つけるだろう。