イベリア半島の大停電

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

スペインとポルトガルで28日に異例の大停電が発生し、交通や通信でも大混乱を招いた。筆者も長時間の停
電を経験したことがある。やりたいことがなにもできず、途方にくれた。普段いかに電気に頼って暮らして
いるかを改めて思い知らされ、安定的な電力供給のありがたみを身にしみて感じた。イベリア半島の電力網
は他地域との連系が不備な点が弱点とされてきたが、逆にいえば、近隣諸国は半島の電力網と共倒れになら
ずに済んだのかもしれない。そう考えて密かに安堵するのはまことに身勝手ではあるが、それにしても、不
気味なのは、29日朝になっても停電の原因が不明なままであることだ。サイバー攻撃などによるものではな
く、事故との見方が有力だが、確かな原因が特定されないままでは、再発のリスクも懸念される。原因の徹
底的な究明が望まれる。気になるのは、再エネとの関連性を指摘する意見だ。今回の停電が、トランプ大統
領的な再エネ批判の道具として悪用されないことを祈りたい。