UPSA、医薬品生産の国内還流で仏政府と合意

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仏製薬会社UPSA(大正製薬傘下)はこのほど、仏政府との間で協定を結び、国内の生産事業の強化を約束した。アジャン工場にて重要医薬品2種を2026年より生産すると約束した。
UPSAは、アセトアミノフェン(パラセタモル)2種を、EfferalganとDafalganの商品名にて販売している。その製造はアジャン工場で行っている。仏政府は今回、アセトアミノフェン2種の処方薬としての薬価を2年間に渡り据え置くと約束。UPSAはその見返りとして、政府が2023年10月に定めた「戦略的重要性を有する医薬品」リストに掲載されている医薬品の中から、2種をアジャン工場にて生産することを約束した。どの医薬品を生産するかはまだ決まっていないが、プレガバリンとラモトリギン(てんかん治療薬など)が取り沙汰されている。
UPSAのアジャン工場には1500人が勤務。ここで製造されるパラセタモルの55%は輸出されている。大正製薬は同社を2019年に買収。それ以来で、同社をOTC医薬品のアジア市場以外での事業拡張の足場としている。5ヵ年計画で2027年までに売上高を2倍増とする計画を立てており、2024年の年商は5億ユーロを超える見込み。