「ミシュランガイド」2022年版が発表

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3月22日にレストランガイド「ミシュランガイド」2022年版の発行を祝う行事がコニャック市で開かれた。星付きレストランは合計627軒(パリ首都圏以外の地方に500軒)、このうち最高級の3つ星レストランは31軒となった。とりわけ今年は、新しく3つ星となったアルノー・ドンケル氏(Arnaud Donckele)がシェフを務めるパリの「シュバルブラン・プレニチュード」(元百貨店サマリテーヌ内)とディミトリ・ドロワノー氏(Dimitri Droisneau)がシェフを務めるカシス(仏南東部)の「ビラ・マディ」が注目された。なおアルノー・ドンケル氏はすでにサントロぺのレストランで3つ星を取得済み。
一方、3月23日付のレゼコー紙は、「ミシュランガイド」がレストラン人気に圧倒的な影響力を発揮していた時代が終わりつつあり、テレビ局M6が放送するシェフの腕くらべ番組「Top Chef」やSNSが影響力を強めていると指摘する。「Top Chef」に出場しただけでも知名度が一挙にあがるほどの効果があり、例えば同番組に出場したモーリー・サッコ氏(Mory Sacko)がパリに開いたレストランは2021年1月にミシュランガイドで1つ星を獲得、予約は2ヶ月待ちの人気店となった。SNSの影響力も大きく、インスタグラムのフォロワー数はシェフのシリル・リニャック氏(Cyril Lignac)で310万人、パティシエのセドリック・グロレ氏(Cédric Grolet)で230万人を数える。料理そのものよりもシェフがレストランの人気を左右するというシェフのスター化が今後も続くものと予想される。