5Gサービスの品質調査:人口稠密地域以外では5Gに利益は見られず

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仏ARCEP(郵便・電子通信規制機関)は19日、携帯サービスの品質調査の結果を発表した。この年次報告において、ARCEPは初めて、1年前に始まった5Gサービスの通信速度に関する調査結果を発表した。これによると、5G契約者の実際の通信速度が全国平均で最も高かったのがオレンジで、下りで142Mbpsに上った。人口稠密地域に限ると、オレンジの平均速度は227Mbpsに上った。以下、SFRが全国平均84Mbps(人口稠密地域は145Mbps)、ブイグ・テレコムが全国平均71Mbps(人口稠密地域は130Mbps)で続いた。キャリアのうちフリーは最低で全国平均が31Mbpsとなり、人口稠密地域と農山漁村地域のいずれでも大きな差はなかった。
5G契約と4G以下の契約の間の通信速度の格差を見ると、人口稠密地域においては違いが大きい(オレンジの場合、4G以下が148Mbps、5Gが227Mbps)が、人口密度が中間的な地域においては差が縮まり(オレンジの場合、119Mbpsと135Mbps)、農山漁村地域においては5Gの恩恵はほとんど見られなかった(オレンジの場合、5G契約が63Mbpsで、4G以下の契約の64Mbpsよりむしろ低い)。これは、5G通信網の展開において、多くの事業者が人口稠密地域を優先したことが原因と考えられる。5G契約者が実際に5Gのインフラを利用できた割合をみると、人口稠密地域ではブイグ・テレコムが60%で最も高く、中間的地域ではフリーが50%で最も高かった。農山漁村地域においては、フリーのみが27%で、あとの事業者は実績がゼロという結果になった。フリーは国土カバーにおいては実績を残したものの、通信品質の点では見劣りのする結果となった。