2021年11月16日 編集後記

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またしても不謹慎なことを言うようだが(もともとこのコーナーではしばしば不謹慎なことを言わせてもらっている)、ベラルーシの策略にのって、飛行機でミンスクまで運ばれ、ポーランドとの国境に押し寄せている移民たちは、一体何を考えているのだろう? これは批判して言っているわけではなく、彼らが心中でどんな思いを抱いて、このような無謀な行動をとっているのか、不思議でならないのだ。大挙して押しかけたら、ポーランド側が国境を開いて受け入れてくれるとでも思っているのだろうか? いくら人権主義のEUだといっても、相手は中東難民の受け入れを断固拒否するポーランド政府である。強引に侵入しようとすれば 逆効果になるだろう。もちろん、ベラルーシはドイツなどのEU加盟国が人道的立場で喜んで受け入れてくれるという偽情報を流して移民を扇動しているに違いない。しかし今の中東出身移民はスマホを持ち、英語を理解し、ネットで情報を収集するスキルを身につけている人が多いという。そうであれば、自分がベラルーシの独裁者の政治的道具に利用されていることぐらいは十分に承知の上だろう。移民の間ではすでに死者も出ており、これが命がけの越境の企てであることは明らかだ。しかし、地中海で溺死した多数の移民たちについても思うのが、命を失ってしまえば、全てがふいになるのに、それほどの危険を冒してまで辿り着きたい国(ドイツや英国)に一体何があるというのか。また、死んでも逃れたい母国とは一体どんな国なのだろう。同じ危険を冒すなら、自国に留まって、命がけで政治や経済や社会を改革するほうがよほど建設的ではないか、とも思うのだが、それは安全圏にいる人間の寝言に過ぎないのか? うなりながら考えても、答えは見つからないままだ。