ユダヤ人高齢女性の殺害事件、主犯に終身刑

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高齢のユダヤ人女性ミレイユ・クノールさん(85)の殺害事件裁判で、パリ重罪院は10日、ヤシン・ミウーブ被告人(32)に終身刑(22年の減刑不可期間を設定)を言い渡した。ミウーブ被告人に同行したカリンバキュス被告人(25)には窃盗で禁固15年(うち10年は減刑不可)の実刑判決を言い渡した。いずれもユダヤ人差別の動機があったと認定された。
事件は2018年3月23日に発生した。クノールさんは、ナチスドイツ時代に強制収容所に収監された経験があり、事件当時にはパリ11区内の低家賃住宅で独り暮らしをしていた。11ヵ所の刺し傷があり、半ば焼け焦げた遺体で自宅内にて発見された。当局は、隣人の息子で、クノールさんと面識があったミウーブ被告人と、被告人と刑事施設で知り合ったカリンバキュス被告人の2人を起訴した。裁判では、両被告人がそれぞれ、相手の犯行であると主張したが、検察側は、ミウーブ被告人が殺害し、カリンバキュス被告人が窃盗のために同行したとし、ユダヤ人への偏見が犯行の背景にあるとも指摘していた。裁判所も検察側の主張を認めて、求刑にほぼ沿った判決を下した。