コベア、パートナー・リー(再保険)を買収か

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伊イルソーレ24オーレ紙は24日までに、仏保険大手コベアが伊ルクソール(アニェッリ一族の持ち株会社)傘下のパートナー・リー(再保険)の買収に向けて交渉を開始したと報じた。仏ルフィガロ紙の26日付の報道によると、数日中にも買収で合意が成立する可能性があるという。
コベアは、共済型の保険組織であるGMF、Maaf、MMAの統合により発足したグループで、損害保険ではフランス最大手。再保険会社の買収によるシナジー効果の追求は以前からの悲願で、この数年間で複数の試みがあったが、いずれも失敗していた。パートナー・リーについても、2020年3月に買収に向けた基本合意が一旦は成立していたが、その直後に勃発した新型コロナウイルス危機を受けて、コベア側が買収額(90億ドル)の見直しを要望、ルクソールがこれを拒否したため、交渉が不調に終わったという経緯がある。コベアは今回、引き下げは求めず、2020年3月の合意に基づいた再評価を受け入れたといい、これだと買収額はさらに大きくなるという。ルクソールが2015年にパートナーを買収した際の金額は69億ドルで、ルクソールにとって有利な取引となる。再保険会社は手頃なターゲットが少なく、コベアにとってはこの買収に失敗すると、次に打つ手が限られるという事情もある。