フランスでも新型コロナの感染再拡大、警戒域にはまだ至らず

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

フランスでも新型コロナウイルスの感染が再拡大する兆しを見せている。1日間の新規感染者数は10月18日に4600人(直近7日間の平均)となり、10月10日時点の4200人から増加した。人口10万人当たりの1日間の新規感染者数は、大多数の県で警戒域である50人をまだ下回っているが、増加傾向は見受けられる。なお、10月15日より、ワクチン未接種者の検査が有料化されたことで、検査数は大幅に減少しており(1日に67万5000件から37万1000件に減少)、実際の感染拡大の勢いがさらに大きい可能性はある。
その一方で、病院の状況は今のところ落ち着いており、対応の余力は十分にある。1日当たりの入院者数は200人未満で安定して推移しており、集中治療室の新規入院者数も50人未満と変化がない。1日当たりの死亡者数も30人前後で安定している。集中治療室の入院患者総数は現時点で1000人強と、例えば2020年11月に第2次ロックダウンが開始された時点の4000人弱と比べてかなり少ない。
感染が再び拡大に転じた理由としては、気温が低下したことと、新学年を経て学校を中心に人々の接触が増えたことが考えられる。10月末には万聖節の学校休暇に入ることから、感染がまた小康状態に戻ることも期待できる。より長期的には、ワクチン普及により、重症患者の発生を抑える形での効果が期待できる。8日時点で公表されたパストゥール研究所の予測によると、特に悲観的な予測の下では、春季に1日当たりの新規入院患者数が1200-2000人に達してピークを迎える可能性があるが、この予測においても、第2波のピークである2800人に比べて低くなる。