独仏共同出資のテレビ局ARTEで「坂の途中の家」という日本製の連続ドラマを放送しているので、つい見てしまった。ネットで検索してみると、角田光代原作の小説をドラマ化したものだそうで、wowowによると「乳児虐待死事件の補充裁判員に選ばれた主婦である主人公は、自らも幼い子どもを持つ母親として、次第に被告と自分自身を重ね合わせていく」という筋立てだ。主演の柴咲コウは相変わらず素敵で楽しめたが、テーマ自体は重いし、暗い。最近、若い友人カップル数組に子どもが生まれ、祝福したばかりだったが、こういうドラマを見てしまうと、向こう20年どうもお疲れさまです、と今から声をかけたくなった。
それはともかくARTEは北欧の連ドラなども積極的に放送しており、おかげで「The Killing」とか「Bron」なども全シーズンを見ることができた。科学ものや歴史もののドキュメンタリーも良いものをたくさん放送しており、本当に貴重な放送局である。こうした質の高さを維持する上で独仏共同という体制が効果を発揮しているのかどうか、調べたわけではないので、うかつなことは言えないが、もしそうであるなら、欧州レベルの協力(たいていは建前だけ立派だが、費用が嵩み、効果が薄いか、むしろ逆効果だが)というのも悪いことばかりではないな、と感じる。