仏の高等保健機構(HAS)は10月15日、新型コロナウイルスのブースター接種について、モデルナのワクチンの使用を見合わせるよう勧告を出した。
フランスでは9月初めから高リスク者(65才以上の人、重大な基礎疾患患者、医療関係者、免疫不全患者とその家族)に対するブースター接種が開始されている。HASでは6日にブースター接種に用いるワクチンについて、ブースター接種に関する市場流通許可を取得済みのビオンテック/ファイザーのワクチンを承認した。同時に、もう一つのmRNAワクチンであるモデルナのワクチンについても、ブースター接種での市場流通許可はまだ取得していないものの、ワクチン接種キャンペーンに混乱を起こすことを避けるために利用を認めた。ところが、その後、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークの北欧諸国が、モデルナのワクチンには心筋炎を起こすリスクがあるとして、30才未満もしくは18才未満の若者への接種を停止する決定を下した。これを受けてHASでは、欧州医薬品当局(EMA)の見解が出るまでの間、モデルナのワクチンの使用を見合わせることを決めた。