タレス、「信頼できるクラウド」サービスでグーグルと提携

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仏タレス(防衛電子)はこのほど、グーグルと提携してクラウドサービスを2023年をめどに開始すると予告した。仏政府が付与する「信頼できるクラウド(Cloud de confiance)」ラベルを取得する計画。
「信頼できるクラウド」ラベルは、仏当局機関ANSSIが審査の上で付与するもので、高いセキュリティ水準の確保に加えて、欧州連合(EU)内にサーバーを置くことが条件になる。米国の法令に基づいて米国当局がデータにアクセスする可能性を遮断し、国家主権を守ることを目標とした制度で、公共部門による利用を義務付け、広く民間企業にも利用を広げることを狙っている。ラベル制度は準備中で、まだ運用は開始されていない。
すでに、仏カップジェミニとオレンジがマイクロソフトと結んで進める通称「ブルー」プロジェクトと、フランス勢のみのOVHクラウド、アウトスケール、スケールウェイによるプロジェクトがあり、タレスは今回、グーグルと結んで参入を決めた。グーグルの技術を導入し、パリ首都圏に開く3ヵ所のデータセンターからサービスを提供。グーグル・ワークスペースを除くグーグルのすべてのクラウドサービスが提供される。両社はこの事業のために合弁会社を設立し、フランス側のスタッフが具体的な運営を担当する。タレスが過半数資本を握り、経営権を確保するという。料金はグーグルが自ら提供するものと比べて割高になる。