10月6日、日本関連報道

10月6日、日本関連報道

3.その他事実報道
(1)AFP通信(10月5日付、電子版)
「二人の気象学者とイタリアの理論学者がノーベル物理学賞を受賞(Le Nobel de physique sacre deux experts du climat et un theoricien italien)」(ストックホルム発)

2021年のノーベル物理学賞は、2つに分けられ、そのうちの1つが10月5日、地球物理学者(気象学専門)の真鍋淑郎氏(米国籍)とクラウス・ハッセルマン氏(独)に授与された。残りの1つは、ジョルジョ・パリージ氏(伊)に授与された。地球温暖化を直接の対象とした研究にノーベル賞が与えられたのは1995年以来だが、今では地球温暖化はまさに緊急事と認識されるようになっており、文脈がまったく異なる。

真鍋氏(90歳)は日本生まれだが、現在では米国籍を取得し、米プリンストンに居住している。一方、ハッセルマン氏はハンブルクを拠点としている。両氏の受賞理由は、「気候変動の物理的モデルを開発し、その変動を量的に処理し、地球温暖化を信頼できる形で予測する」ことに貢献したこととされている。

真鍋氏は、1960年代に地球温暖化ガスについての研究を行い、大気中のCO2の濃度が気温の上昇と関連があると示した。両氏の受賞は、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を1ヶ月後に控え、政治的なインパクトを持つことになると見られる。
一方、パリージ氏の研究は、地球温暖化との直接的な関連を持たないが、複雑系の研究に貢献したことが評価された。

(2)リベラシオン紙(10月6日付、18面)
「ノーベル物理学賞、気象と複雑系に関する発見者に授与される(Nobel: Des decouvertes sur le climat et les systemes complexes recompensees)」

2021年のノーベル物理学賞は、2つに分けられ、そのうちの1つが10月5日、真鍋淑郎氏とクラウス・ハッセルマン氏に授与された。受賞理由は、地球温暖化のモデル化に対する貢献。残りの1つは、ジョルジョ・パリージ氏に授与された。受賞理由は、複雑系に関する研究。真鍋氏は、日本生まれだが、米国籍を取得しており、プリンストン大学で教壇に立っている。ハッセルマン氏はドイツ人で、マックス・プランク気象学研究所所属。スウェーデン王立科学アカデミーによると、両氏は「気候変動のモデルを開発し、その変動を量的に処理し、地球温暖化を信頼できる形で予測する」ことに貢献した。

(3)AFP通信(10月5日付、電子版)
「中国がフランスの大学に入り込む時(報告書)(Quand la Chine penetre l’universite francaise (rapport))」(パリ発)

中国をはじめとする国々による仏大学・学術界への介入の現状に関して、仏上院の特別調査委員会がまとめた報告書が10月5日に発表された。研究者に対する圧力、自主的な検閲の増加、研究施設のこうした国々への経済的依存、といった外国の介入を巡る様々な問題が明らかにされた。

報告書(全240ページ)は右派共和党のエティエンヌ・ブラン上院議員が中心となってまとめた。報告書は、「影響力の点では、中国は独占的ではないが、圧倒的な地位を確保している」と説明。このほか、ロシア、トルコ、ペルシャ湾岸の一部の国々による介入の存在も認めつつも、「中国の戦略は他国を圧倒しており、様々な面から介入を行い、もはや国際関係における中心的地位を占めようとする意志を隠そうともしない」と指摘した。

すでに、欧米の複数国が、自国大学に対する中国の影響力拡大戦略に関して公に懸念を表明している。報告官のアンドレ・ガットラン上院議員は、「関係国が協力することが重要だ」と述べるとともに、欧州委員会がこの件に関心を高めていることを歓迎。その上で、国の警戒が及ばない地方レベルでの「影響力拡大を図るエコシステム」の存在を批判し、「目を開き、現実を見つめなければならない」と主張した。

報告書によると、中国による影響力拡大の試みは、経済的情報収集だけに限らず、学術的自由と科学的廉潔といった分野にまで及んでいる。報告書は、こうした試みの中に、二つのプロセスを見出している。すなわち、「人間・社会科学を活用し、国家のイメージや評判を構築、もしくは公式な見解を推進すること」、「戦略的・経済的・軍事的な有利性を獲得するために、侵入を図ってセンシティブな科学的データを取得すること」である。報告書は、「中国は現在、世界的で体系的な影響力拡大戦略を主導できる能力を最も備えた国だ」と指摘した。

戦略ツールの一つが、中国文化を発揚する目的で世界中に設置された孔子学院である。孔子学院に対しては、プロパガンダの手段であり、パートナー機関の学術的自由を脅す、スパイの巣窟となっているといった批判が浴びせられている。報告書はこうした点に関し、仏学術界が警戒している点があまりに限られており、新たなる脅威に対応できず、対応に向けた十分な手段も持ち合わせていないと指摘している。

報告書は、「外国による介入の問題を政治的優先課題にすること」を勧告。ロシアの「トロールファーム」(情報工作組織)や、ロシア、中国発のサイバー攻撃が日常化してしまったことに遺憾を表明している。また、知的に開かれた世界であるはずの大学が、今後は外国人留学生に関して常に警戒しなければならない、というジレンマに直面していると強調した。報告書は、欧州連合(EU)レベルでの戦略策定や、大学の情報処理システムの安全性に関する監査の実施、プロジェクトに対する欧州外からの資金援助について透明性を求める制度の創設を勧告した。

中国による学術界への介入に関しては、仏軍事学校戦略研究所(IRSEM)が研究報告を発表しており、その筆者であるポール・シャロン氏とジャン=バティスト・ジャンジェン=ヴィルメール氏が上院公聴会に出席した。IRSEMの報告は、「中国が侵入、強制の戦略をより強く進めて」おり、「中国共産党は今や、マキアヴェリが『君主論』で述べたように、『愛されるよりも、恐れられた方が安全だ』と考えているようだ」と指摘。中国は中国人学生に加え、講師、理事などに対する監視・脅迫を通じて、「授業や教材、イベントの内容を変更」させようとしている。また「中国共産党は、大学を利用して、合法的なやり方、または窃盗・スパイ行為といった非合法的なやり方で、知識と技術とを取得しようとしている」と指摘。「民間と軍事が融合された文脈」の中で、中国はこうした介入を通じ、「大量破壊兵器を製造したり、監視テクノロジーを開発している」と説明している。