大統領選世論調査:エリック・ゼムール氏が第3の男に

日刊紙ルパリジャンなどの依頼で行われた世論調査(9月29日と30日の両日に1500人を対象に実施)によると、2022年4月の大統領選に向けて、右翼の論客エリック・ゼムール氏の支持率が急上昇している。保守陣営の候補者が誰になっても、第1回投票における支持率が3位となり、決選投票への進出も狙える位置につけた。
ゼムール氏はまだ出馬表明をしていないが、極右と保守の両方の有権者層を掘り崩すかたちで支持を伸ばしている。今回の調査では、保守勢力の候補者が、ベルトラン(オードフランス地域圏議長)、ペクレス(イルドフランス地域圏議長)、バルニエ(元欧州委委員)の3氏のいずれかになるという前提で、それぞれについて、ゼムール氏が出馬する場合と、出馬しない場合の支持率を調べた。その結果、ゼムール氏が出馬する場合、最も有利なベルトラン候補でも支持率が14%で、ゼムール氏の15%には及ばない。この顔合わせでは、首位がマクロン大統領で24%、極右RNのマリーヌ・ルペン候補が16%で後を追うが、ルペン候補とベルトラン候補まではごく僅差で並ぶことになる。ペクレスとバルニエの各候補の場合を想定すると、大統領の支持率は25-25.5%、ルペン候補は17%、ゼムール候補は15%となり、保守候補との差はさらに開くことになる。逆に、ゼムール氏が出馬しないと仮定すると、組み合わせによりルペン候補の支持率が25-26%、マクロン大統領の支持率が25-27%で、1位と2位はこの両者となり、保守候補はかなり差をつけられて3位となる(最も高いベルトラン候補で17%)。ちなみに、それ以下の候補者の支持率は、ゼムール氏の出馬の有無や保守候補が誰になるかによらずにほとんど変わらず、環境派EELVのジャド候補と左翼政党「不服従のフランス(LFI)」のメランション候補がともに9%程度で争っているのが最も高い。先頃正式に出馬表明した社会党のイダルゴ候補(パリ市長)はいずれの場合でも支持率が5.5%に低迷している。
この結果は、ゼムール氏の出現が、極右と保守に大きく打撃を与える構図になっていることを示している。ゼムール氏は、極右が吸い上げることを狙うマクロン政権の批判票を吸い取り、また、保守支持層のうち右寄りの層に食い込んでおり、特に、管理職や高学歴者、都市生活者において支持が大きい。年齢別では35-39才の層で支持が最も大きいという。