OVHクラウド、年内に上場へ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

仏OVHクラウド(データセンター運営)は20日、パリ株式市場への上場申請について承認を得たと発表した。年内に上場を実現する。
OVHクラウドは最大で4億ユーロ相当の新株を発行する。発行数や発行価格は未定。現在の株主も上場の機会に株式を一部譲渡する。創業者のクラバ氏の一族は現在、80%株式を保有しているが、上場後も半数を大きく上回る株式の維持を続ける。
OVHクラウドは2016年に2億5000万ユーロの資金調達を行ったが、それ以外の調達の実績はない。大型の資金調達よりも上場に挑戦することを選んだ。同社は、この数年で年間20%の増収を達成しているが、2025年までに25%まで増収の勢いを加速することを目指しており、上場で得た資金は成長戦略に充当される。
同社は2020年に6億3200万ユーロの売上高を達成。世界140ヵ国余りに160万の顧客を数え、欧州以外で年商の8割を稼いでいる。今後は、インフラ運営からクラウドサービスの提供に軸足を移し、大口顧客の契約獲得に力を入れる。米インターネット大手に代わる事業者としての信頼性を、フランスや欧州でアピールする。