法定最低賃金(SMIC)、10月1日付で引き上げへ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

法定最低賃金(SMIC)が10月1日付で引き上げられることが決まった。月額で1589ユーロ程度(現金給与総額ベース)となり、35ユーロ程度の引き上げとなる。
今回の改定は、インフレ率の上昇に伴う自動改定の規定に基づいて行われる。SMICは11月のインフレ率に基づいて、1月1日付で年次改定されるが、11月の消費者物価に対して2%以上の物価上昇があった場合に、これを折り込んでインフレ並みの改定が自動的になされる規定になっている。今回は2.2%の上昇が記録されたことから自動改定に至った。
このような自動改定が最後になされたのは2011年12月1日付であり、実に10年ぶりの実施となる。自動改定とは別に、政府は自らの裁量でSMICの引き上げを随時決める権限があるが、政府は今回、追加の引き上げは決めなかった。追加引き上げは2012年7月に、オランド前政権が発足直後に実施したのが最後となっている。
大統領選挙を7ヵ月後に控えて、出馬を予定する候補者の中には、SMICの引き上げを公約に掲げる者も多い。政府は、産別交渉を通じて、それぞれの業界の実情に即して賃金を引き上げることを優先する建前を示し、SMICの全般的な引き上げの可能性を今のところ否定している。