エリック・ゼムール氏のテレビ発言時間、規制の対象に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

CSA(放送行政監督機関)はこのほど、エリック・ゼムール氏のテレビ局における発言時間の計測開始を命じた。9日付で開始される。
フランスでは平時より、政治家のテレビ上での発言時間が計測の対象になっている。政治的な立場が様々に違う人々の意見が公平に反映されるようにするのが目的で、政府、与党、野党などの括りの下で、発言時間が一定に分配されるようにテレビ局は図らわなければならない。CSAがその履行状況を監督している。
エリック・ゼムール氏はジャーナリストで、右翼の論客として知られる。最近では大統領選挙への出馬の可能性を示唆しており、近く著書を刊行してメディア露出を強める予定だった。CSAはこれまでゼムール氏を対象外としていたが、「このところの同氏の言動から、同氏は政治的な議論の当事者とみなされうる」との理由を示し、計測対象に加えることを決めた。
ゼムール氏は、ニュース専門地デジ局CNewsで月曜から金曜まで毎日放送の帯番組(19時から20時まで)を持っており、CSAの決定の影響は特に同局で大きい。同局にとって人気番組だが、コンプライアンス上の制約から、ゼムール氏を今まで通りに起用することは不可能になる。ゼムール氏はCSAの決定について、当局の新たな圧力であり、検閲であると非難し、「私を黙らせることはできない」などとコメントした。