政府、2022年予算法案について説明

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政府は9日、準備中の2022年予算法案について説明した。従来の予測よりも財政収支の改善が進むとの展望を示した。
足元で2021年通年の経済成長率は従来予測を上回る公算が強まっており、6.25%に達する見通しだが、政府は6%とする従来予測を維持して2022年予算法案を準備している。2022年通年経済成長率も4%と比較的に慎重な水準を維持した。政府によると、足元で税収の回復は順調に進んでおり、その一方で2022年にはマクロン政権が公約した減税措置の最後の部分が実行される。国民負担率(対GDP比)は、2021年の43.7%に対して、2022年には43.5%まで下がる。なお、マクロン政権が発足した2017年には45%程度に上っていた。
景気回復を追い風に、財政赤字の対GDP比は、2021年の8.4%(予想)に対して、2022年には4.8%まで低下する。従来の予測は、2021年が9.4%、2022年が5.3%だったが、それと比べて収支の改善が進む。公的債務残高の対GDP比も、2021年に116%弱、2022年に114%と低下する。この計算には、まだ裁定が済んでいない、若年失業者の収入保障手当の導入と公的投資プランの影響が折り込まれておらず、これらは110億ユーロ以上の支出増を招くと考えられる。ルメール経済相はそれでも、2022年の財政赤字の対GDP比は、従来予測の5.3%よりも小さくなると説明している。