2021年8月3日 編集後記

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毎年この時期には企業の上半期(1-6月)業績が発表される。昨年の春以後に新型コロナウイルスが猛威を奮ったせいで、今年は業績が改善した企業も多いが、これは勿論、見せかけの改善であって、2019年上半期と比較しなければ、実際の回復具合は把握できない。もっとも危機前にすでに業績が悪かった企業の場合には、2019年上半期との比較で見かけ上は得をすることもありえるかもしれない。各社のプレスリリースをみていると、どんなにひどい業績を記録した企業でも、なにかしらポジティブな点をとりあげて、それを強調する見出しを掲げていることに毎回感心してしまう。確かに懸命に探せば、どこかには評価できる要素があるもので、こういうポジティブシンキングはビジネスやスポーツの世界では不可欠な態度である。ただ、去年は、「パンデミックにもかかわらず健闘した」という言い方ができて便利だったのが、今年はそうもいかなくなってきた。パンデミック自体は続いているし、デルタ株のせいでむしろ悪化に向かっている地域もあるが、いつまでもパンデミックを口実や隠れ蓑にしているようでは、対応力や革新力に欠ける企業と判断されてしまう。まして、パンデミックに乗じて業績が伸びている企業には太刀打ちできない。米国のIT大手、 いわゆるGAFAMはパンデミックをてこにしてますます好調だが、その税逃れに対する国際的な批判の高まりを背景に、最近は米欧当局の対応もぐっと厳しくなっている。世界のITユーザーの多くはGAFAMのお世話になっており、筆者自身もグーグル、アマゾン、マイクロソフトのサービスなしには仕事も生活もできないし、アップルとフェイスブックを愛用する同僚・友人・知人も多い。ろくな脱税もできない少額納税者 (?)としてはGAFAMに腹も立つのだが、毎日お付き合いしている企業なだけに、心底嫌いになったりもできないという微妙な関係が続きそうだ。