2021年7月20日 編集後記

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東京オリンピックの開幕が目前に迫った。筆者は前回の東京オリンピック(1964年)をリアルタイムでテレビ観戦した世代であり、子供ながらに感じ取った当時の日本社会の興奮を今でも覚えている。今回はデルタ株で新型コロナウイルス危機が再燃するという特殊な状況の中で、はるかに醒めた雰囲気での開催になりつつある。それでも、筆者の父親(90代)などは、オリンピックを観るまでは生きているぞ、などと妙に意気込んでいるので、ある年代以上の日本人にとっては(もちろん個人差はあろうが)、オリンピックは今でも 国威発揚に繋がる国際的祭典としての意味合いを維持しているのではないかと思われる。無観客試合の味気なさというものは、昨年来の様々なスポーツの大会で確認済みだが、リモートワークと同じで、これが2020年代のニューノーマルだと覚悟して受け入れてしまえば、適応はさほど難しいことではない。人間は可塑性の大きい動物で、何にでも慣れてしまう性質があるので、半世紀もすれば、「かつては大きなスタジアムに 何万人も観客が入って試合をした時代があったんだねえ。今では想像もできないが…」ということになるかも知れない。「ウイルスとともに生きる」人間の新たな歴史の始まりを告げた記念碑的イベントして、無観客の東京オリンピック大会が記憶される日が来るかも知れない。