「衛生パス」による制限措置、ワクチン接種加速の呼び水に

マクロン大統領は12日に、「衛生パス」の提示を一部のサービスの利用(長距離の移動、飲食店・ショッピングセンターの入場など)に当たり義務付けるとの方針を示した。「衛生パス」は、PCR検査陰性でも取得できるが、ワクチン接種完了が持続的な取得の手段となることから、大統領の発表を境に、ワクチン接種の動きが急激に加速した。予約サイトのDoctolib上では、発表のあった12日夜には92万6000件の予約がなされ、13日午前にも1分につき4000件のペースで予約登録が続いている。1週間前と比べて5倍に増えたという。13日の接種回数も79万2000回と、これまでの記録を更新した。
これまでの接種者数は3600万人で、うち2800万人が2回目接種まで完了している。政府は8月末日に接種完了者を3500万人に増やすことを目標としてきた。しかし、デルタ株の感染拡大を踏まえて、専門家委員会は、1回以上の接種者を4500万人まで引き上げるべきだと勧告しており、ペースアップが必要となっている。
他方、政府は13日までに、「衛生パス」利用の細則について説明を加えた。8月1日付で施行される予定の入場制限における利用について、飲食店等の従業員にも制限が適用されるとした上で、従業員等のワクチン接種完了には8月30日まで猶予を与える方針を示した。また、18才未満についても、家族連れの旅行客に配慮し、8月30日まで制限措置を適用しない方針を示した。8月1日付で制限措置を施行するためには法令を定める必要があり、国会会期の延長を経て7月中に急遽、関連法令が整備されることになる。
「衛生パス」取得は、▽ワクチン接種完了から2週間が経過(ジョンソンエンドジョンソンの1回接種ワクチンの場合は4週間後)している、▽48時間以内のPCR検査又は抗原検査における陰性、▽11日間以上を経過し、6ヵ月以内の陽性検査結果(治癒による免疫力獲得の証明)、のいずれかが条件となるが、政府は、国内における利用について、ワクチン接種完了からの経過時間を1週間に短縮することも決めた。