政府、気候変動対策を憲法に盛り込む改憲を断念

カステックス首相は6日、気候変動対策を憲法に盛り込むための憲法改正を断念すると発表した。下院における答弁の際に明らかにした。首相は、保守・中道勢力が過半数を占める上院が応じなかったため、断念せざるを得なくなったと説明し、保守勢力に責任があるとの見方を示した。
気候変動対策を進める義務を憲法上の規定にするという案は、「気候市民会議」が提案したもので、マクロン大統領は、国民投票によりその信を問うと約束していた。「気候市民会議」は、気候変動対策をまとめるために設置された組織で、くじ引きで選ばれた150人の市民が提案を提出していた。市民の声を国政に反映させるという趣旨で設置され、大統領は原則として提案された措置を実現すると約束していた。
憲法改正の国民投票を実施するには、上下院が同一の文言にて改正法案を可決することが前提条件となる。憲法改正法案の審議では、国が気候変動対策の推進を「保障する」という表現が用いられていることに保守勢力が反発し、調整が難航していた。政府は結局、保守勢力の責任を指弾しつつ、憲法改正を断念することを決めた。
マクロン大統領の陣営は、保守勢力の責任とすることで、自らの政策運営が失敗したという印象を与えないで済むという計算がある。環境派は、気候変動対策に待ったなしの対応を迫られる中で、そのような逃げ道を作るのは安易だと批判している。