仏伊間の鉄道ベーストンネル、30億ユーロの建設契約が付与に

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仏リヨンと伊トリノを結ぶ高速鉄道の整備計画で、仏伊国境をまたぐ区間の整備事業を主導する両国合弁企業TELTは7日、モンセニス国際ベーストンネル(57.5km)のフランス側部分(48km)の建設契約で3つのコンソーシアムを選定した。総額30億ユーロ強の契約を付与した。
仏大手バンシが率いるコンソーシアムは14億3000万ユーロの契約を獲得。同じく仏大手エファージュが率いるコンソーシアムが最大の14億7000万ユーロの契約を獲得した。スイスのインプレニアが仏NGEなどと組んだコンソーシアムが残りの2億2800万ユーロの契約を獲得した。うち、エファージュは仏スピー・バティニョルなどと組んで、国境とモダーヌ市までの21.9km区間を建設する。バンシは、伊WeBuildなどと組んで、ふもとからモダーヌ市までの23km区間を建設する。インプレニアはフランス側のトンネル進入部分などを建設する。2028年の完成を予定する。
イタリア側部分の建設請負業者の選定はまだ終了しておらず、2022年初頭に契約が付与される予定。リヨン・トリノ間の高速鉄道(270km)は、イベリア半島から東欧までを結ぶ「地中海回廊」の幹線鉄道路線の一部となる。客車で時速220km、貨物列車で時速120kmの運行が可能な幹線鉄道が整備されれば、アルプス越えのトラック輸送を大幅に削減できる。ただし、トンネルまで至るフランス側のルートはまだ固まっておらず、2030年の開通という日程の実現が危ぶまれている。