サノフィ、新型コロナウイルスワクチンを年内に販売へ

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仏製薬大手サノフィは、英同業GSKと共同で開発する新型コロナウイルスワクチンを年内にも販売する。サノフィ・フランスのボジヨCEOが5日にラジオ局とのインタビューの機会に明らかにした。
サノフィはワクチン開発で大きく出遅れた。同社が最初に開発したワクチンは、期待された成果を得られずに商品化に失敗しており、今回が2件目の挑戦だった。新ワクチンの治験第III相は、3万5000人を対象に米国を含む数ヵ国で行われている。このワクチンは、mRNA(ファイザー、モデルナ)やウイルスベクター(アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン)とは異なる技術を採用しており、組換えたんぱく質をもとに、アジュバントを添加して製剤化したもの。ボジヨCEOは、フランスでも未接種の人は多く、世界全体を見ると接種率は20%に過ぎないとして、出遅れたものの需要はまだ大きいと指摘。他のワクチンを接種済みの人に3回目接種の形で接種する使い方を含めて、効果を臨床試験で確認する。
フランスでは、デルタ株の感染拡大に伴い第4波に見舞われるリスクが取り沙汰されるに至っている。ベラン保健相は4日、この5日間で感染者数が増加に転じていることを指摘しつつ、今月末にも感染増加が本格化する恐れがあるとし、国民に対して積極的にワクチン接種に応じるよう促した。