ルノー、バッテリーの仏国内生産で3つの計画を準備

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

ルノーは電動化戦略の一環として、中国のAESCエンビジョンと提携して、ドゥエ(ノール県)に大型のバッテリー工場を開設することを計画している。AESCエンビジョンはこの計画に20億ユーロの投資を行うことを発表し、2024年の操業開始を予定。2030年には2500人の雇用が見込まれる。同工場で生産されるバッテリーは、ルノーのEV事業を牽引することが期待される「R5(ルノーサンク)」の新型EVモデルなどに搭載される。マクロン大統領は6月28日、ルノーのスナール会長とデメオCEOおよびAESCエンビジョンの張雷CEOとともに現地を訪問して、この計画を称賛した。
ただし、ドゥエで生産されるバッテリーは大衆車向けであり、ルノーは、アルピーヌのEVモデルを含む高級EV向けには、仏スタートアップ企業Verkorと提携して、より高性能のバッテリーを開発することを計画している。ルノーはそのために、Verkorに20%の出資を行う。Verkorはすでに電子部門などの大手企業と提携関係にあるが、自動車大手の出資を「戦略的パートナーシップ」と歓迎している。
ルノーとVerkorはまずグルノーブルにパイロット生産ラインを設置し、これがうまく行けば量産体制に移行する。ルノーは、Verkorの将来の大規模工場の建設地は未定だが、フランス国内での設置を望むとしている。VerkorのルメニャンCEO(共同創設者)もフランスに工場を開設する方針を確認し、2023年に着工して、30ヶ月後には稼働を開始するという構想を明らかにした。ただし、Verkorが生産する高性能バッテリーはルノー専用ではなく、他のメーカーにも供給する予定。CEOは16GWhの生産能力を見込み、そのうちの10 GWhをルノー向けに割り振るとしている。
なお、デメオCEOは、競合のステランティスとエネルギー大手トタルのバッテリー生産合弁事業であるACCに合流するための交渉も継続していると述べている。特に全固体電池の開発に関心があるという。