エリック・ゼムール氏、大統領選出馬を準備か

右翼の論客エリック・ゼムール氏の大統領選出馬を支持するグループ「ジェネラシオンZ」は28日、パリを含む全国の都市で、ゼムール氏のポスターを街頭に貼り出すキャンペーンを行った。顔写真の下に「ゼムール大統領」と書かれたポスターを貼り出した。
「ジェネラシオンZ」は、保守野党「共和党」に近い右寄りの若者らが中心となり結成した。27日の地域圏議会選挙で、極右RNがいずれの地域圏でも多数派を獲得できずに敗退したのを受けて、機は熟したと見てキャンペーンに乗り出した。ゼムール氏本人は公にはこの動きに関与していないが、担がれることを嫌がっているわけでは少しもない。
ゼムール氏はジャーナリスト出身で62才。特に移民問題やイスラム教などの社会問題でタカ派の姿勢を打ち出して一部の支持を集めた。テレビ番組のコメンテーターとして顔を売り、現在はニュース専門地デジ局CNewsのレギュラー出演をメディア展開の主な拠点としている。ゼムール氏は最近に、極右RNのマリーヌ・ルペン党首について、マクロン大統領と同じ土俵の上で争っており、同類に過ぎないと批判。大統領選はマクロン大統領とルペン党首の対決にはならないとも予言しており、地域圏議会選挙の結果に意を強くしていると考えられる。
極右RNの低迷の原因の一つは高い棄権率にある。RNはこれまで、政府に不満を持つ層の支持を吸い上げて台頭してきたわけだが、最近では「普通の党」になるべくイメージチェンジを図っていた。その戦略がある意味で奏功し、既成政党の位置づけとなり、このためエキセントリックな有権者層がRNにそっぽを向いたことが、後退の原因と考えられる。そうした中で、政治の世界には属さない新鮮な人材としてアピールできれば、RNに代わってゼムール氏のようなアウトサイダーが勝機を見出せる可能性はある。