マクロン大統領、オードフランス地域圏のベルトラン議長と「対決」

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

マクロン大統領は6月28日、北仏ドゥエ市を訪問し、中国のエンビジョン社が仏自動車大手ルノーと結んで建設する車載バッテリー工場の予定地(ルノー工場の敷地内)を訪問した。前日の地域圏議会選挙で再選を果たし、来年の大統領選への出馬を予定する地元オードフランス地域圏のベルトラン議長(保守)も同行した。2人の大統領候補が顔をあわせる機会となった。
ベルトラン議長はマクロン大統領から再選の祝福を受けた際に、極右勢力を後退させることができた点を強調。大統領選において、マクロン大統領の株を奪い、極右RNのマリーヌ・ルペン党首に対抗できる候補者となることへの意欲を覗かせた。ベルトラン議長はまた、投票率が格別に低かった点を指摘し、政府への不信の念が棄権を増やす結果を招いているとの見方をにじませつつ、マクロン大統領を暗に批判した。大統領はこれに対して、「教訓は多い。皆がしかるべき対処をしなければならない」と述べて、責任が自らのみにあるわけではないことを示しつつ、自らも有権者の信頼回復に向けて努力する姿勢を強調した。
マクロン大統領はまた、「働くフランス」のためにこれまでに進めてきた取り組みの成果を強調。30%のフラット税制の導入、労働法規の改正、「生産にかかる税」の減税、法人税率の引き下げ(近く25%へ)などの取り組みを列挙し、今回の大型投資計画の誘致に成功したのは努力の成果であることを強調した。さらに、オードフランス地域圏内のプロジェクトの多くに国が拠出している(ダンケルク港、セーヌ・ノール運河など)を挙げて、ベルトラン議長がこれらを自らの手柄とすることをけん制した。