ビグマリオン事件の裁判結審、サルコジ元大統領には禁固1年求刑

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

パリ地裁で行われていたビグマリオン事件の裁判が22日に結審した。判決は9月30日に言い渡される。
この裁判は、2012年の大統領選挙におけるサルコジ元大統領の選挙資金不正を巡り争われた。調べによると、サルコジ氏は当時、現職大統領として再選を目指して立候補していたが、劣勢を挽回するために派手なミーティングを多数開くなどして、選挙費用が法定上限を2000万ユーロ程度上回るに至った。これを隠すために、所属政党のUMP(当時)はイベント・PR会社のビグマリオンと共謀して、別の名目の架空の請求書を発行させることで支出を隠蔽していた。
裁判では合計で14人が起訴された。サルコジ元大統領本人は、選挙資金規制法違反により起訴された。検察側は、元大統領が、上限超過が必至であるのを知りつつ、費用のかかる活動を行わせて、違反を隠すための会計上の操作をするように仕向けたと主張し、元大統領に対して、禁固1年(うち実刑部分6ヵ月)を求刑した。元大統領の弁護士は、いかなる関係書類にも一切元大統領の署名はなく、元大統領が不正に関与していた証拠はないと強調。元大統領は不正を知らされていなかったとする主張を繰り返し、無罪を求めた。その他の被告人は、UMPの幹部やビグマリオンとその関連会社の関係者、会計士などからなり、文書偽造や詐欺などの容疑で起訴されたが、事件当時にUMPの党首を務めていたコペ氏のラブリウ官房長を含む3人が一部容疑を認めたほかは、全員が無罪を主張した。
なお、サルコジ元大統領は数ヵ月前に、別の「ビスマス事件」の第1審裁判で禁固3年(うち実刑部分が1年)を受けており、この事件は現在控訴中となっている。