マクロン大統領、平手打ちの被害受ける

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マクロン大統領が8日、遊説先で平手打ちの被害を受ける事件があった。容疑者2名が逮捕された。
事件は8日の昼過ぎに発生。大統領は、遊説先のドローム県タンレルミタージュ市内にある職業高校を訪問後、高校前に集まっていた人々と、仮設のフェンス越しに懇談したが、その際にその場にいた男性が暴行を試み、身辺警護のガードマンらに取り押さえられた。この時に、「モンジョワ・サンドニ」という、王党派の戦いの際の叫び声が聞かれた。暴力を振るおうとした男と、男に同行していた男性の2人が逮捕された。大統領は負傷などはしておらず、事件後も懇談を続けた。
逮捕されたダミアン・T容疑者は28才。同時に逮捕されたアルチュール・C容疑者も同じ年齢で、2人ともドローム県内に居住していた。ダミアン・T容疑者は、中世以来伝わる格闘技の愛好家で、騎士に扮装した写真をSNS上で公表するなどしていた。インターネット上では、極右系・伝統主義のコンテンツを好んでフォローしており、数日前に左翼政党「不服従のフランス(LFI)」のメランション氏が、LFIの党員攻撃を呼びかけているとしてやり玉に挙げていた通称パパシト(Papacito)のチャンネル登録者でもあった。半面、当局のマークの対象にはなっていなかった。
事件後には、極右RNのマリーヌ・ルペン党首から、左翼のメランション氏に至るすべての政治勢力が事件を糾弾するコメントを発表した。マクロン大統領は、過激思想を持つごく一握りの者の暴力に屈することはできないとして、今後も人々との交流を続けるとコメントした。