マクロン大統領、司法全体会議の招集を予告

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

マクロン大統領は5日、「司法全体会議」を招集し、司法制度の改善について協議する方針を明らかにした。今秋に召集して協議を開始する。大統領選挙が行われる2022年春前に関連法令が制定される可能性もある。
大統領選挙まであと1年余りと、残る時間が少なくなる中で、大統領は全体会議の招集を決めた。それだけに、この決定には意外感もつきまとう。最近では、警察官に対する暴力を糾弾する警察官組合の抗議行動を通じて、司法が犯罪者に厳しい処罰を加えていないことが原因だとする主張が強く出されるようになっており、これに司法当局(裁判所、検察)の関係者らは警戒感を強めている。4日には、司法高等評議会の共同議長を務めるアランス最高裁長官とモランス最高検察庁長官の2人がマクロン大統領と会談。この機会に、共同議長らは司法当局が直面しているリソース不足など様々な困難を訴え、対応を求めた。大統領はこれに応えるため、全体会議の招集を決めた。
全体会議は9月以降に召集され、数週間に渡り続けられる。司法当局の関係者と、弁護士や公証人の代表らが参加。一般市民や治安部隊の代表、地方議員も協議に加わる。マクロン大統領は特に、三権分立と司法機関の独立性の守り手という大統領の責務を十全に果たすと約束し、批判にさらされる司法当局を擁護する姿勢を示した。司法の予算は、フランスでは住民1人当たりで年間69.5ユーロ(2018年)と、ドイツ(131.2ユーロ)はもとより、スペイン(92.6ユーロ)やイタリア(83.2ユーロ)と比べても顕著に少ない。協議の結果どのような方針が決まるか注目される。