FlexFuel、大型艦船向けのエンジン水素洗浄システムを開発

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仏FlexFuelはこのほど、大型艦船のエンジン向けの水素洗浄システム「Hy-Motor」を開発した。商用化に着手する。
FlexFuelは自動車エンジン向けの水素洗浄システムの製造販売で実績がある。艦艇向けの大型システムの開発は、DGA(仏兵器総局)の協力を得て2016年に開始された。Hy-Motorはコンテナ1個に収納可能なシステムで、電気分解により大量の水素を得て、煤の除去のためにエンジン内に注入する。エンジンの性能回復により、燃料消費は12%削減され、二酸化炭素等の排出物の30%削減と、エンジン保守の費用の30%削減も実現する。このシステムは、100トンを超えるフランス海軍の各種艦艇向けに開発されたが、漁船や大型客船、プレジャーボートなどでの利用も視野に収める。
研究開発投資の75%はDGAが負担した。FluxFuelは、水素の大量製造を可能にする交換膜をはじめとする重要技術について特許を取得した。小型のグリーン水素製造ステーションを製造する自動化された工場の建設に向けて、産業界のパートナーとの協力も始まっており、2022年末の開所を目指している。