マクロン大統領、地方遊説を開始

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マクロン大統領は2日と3日の両日、ロート県を訪問する。サンシルクラポピー村とマルテル村を訪問し、国民の声に耳を傾ける機会とする。これを皮切りに、マクロン大統領は全国各地を巡る「非宗教的な巡礼」を断続的に展開する予定で、全部で10回程度の訪問が予定されている。マルセイユ北部の民衆地区、出身地であるアミアン市、パリ北郊セーヌ・サンドニ県の郊外地区などを訪問するといい、ポリネシアも遊説先に加えられる可能性があるという。最初に訪れるサンシルクラポピー村は、風光明媚な小村であり、村長は古くからの大統領支持派で、大統領は何度も同地を訪問している。まずは味方の土地からのスタートとなる。
足元では新型コロナウイルスの感染が後退しており、制限措置の段階的な解除も進んでいる。国民の士気が改善する中で全国遊説を展開することで、1年足らずに迫った2022年の次期大統領選挙に向けた出馬の地均しをする狙いがある。
その大統領選挙で、マクロン大統領陣営が特に恐れているのがオードフランス地域圏のベルトラン議長であるという。ベルトラン議長は保守野党の共和党の出身だが、現在は共和党を飛び出し、独立勢力として出馬の意志を表明している。世論調査における支持率は、まだトップを行く極右RNのマリーヌ・ルペン党首とマクロン大統領には及ばないものの、右派政治家の中では最も高い。特に、決選投票でマリーヌ・ルペン党首との対決となった場合は、マクロン大統領よりもベルトラン議長の方が大きな差をつけて勝利するという結果が出ており、大統領陣営はベルトラン議長を警戒している。6月の地域圏議会選挙ではベルトラン議長も立候補するが、マクロン大統領陣営は現職閣僚4人をオードフランス地域圏から立候補させており、強く意識していることをうかがわせている。