CIR(研究税額控除)の効果を疑問視する報告書が公表に

首相府下の調査機関フランス・ストラテジーはこのほど、CIR(研究税額控除)制度の評価に関する報告書を公表した。技術革新への投資の促進やフランス国内への事業の還流といった点で、CIRの効果は乏しいと指摘する厳しい内容となった。
CIRは、企業の研究開発投資を対象にした税額控除制度で、2020年には国の負担分が66億ユーロと、各種税制優遇措置として最大の措置となっている。1億ユーロまでの研究開発支出の30%(それ以上は5%)が税額控除・還付の対象となる。報告書は、研究開発事業の促進と受益企業の増収という点では効果があると認めたが、付加価値と投資の拡大効果には乏しいと指摘。技術革新の取り組みを決めたものの、ファイナンスと資金繰りの面で困難を覚えている企業にとっては有益だが、それより進んで技術の商品化など開発を進める段階には適していないとした。それと関係して、CIRは中小・中堅企業にとって有益な制度であり、それより規模が大きい企業にはさほどの有用性はないと指摘。それなのに、50社の大企業が、CIRの恩恵額の半分を占めているのが現状だとし、利用額の上限を引き下げることなどを提案した。