警察官の抗議集会、大規模な動員達成

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警察官労組の共同の呼びかけにより、パリの下院議事堂前で19日午後、警察官による抗議集会が行われた。主催者側発表によると3万5000人が参加し、大規模な動員を達成した。
今回の集会は、2週間前にアビニョン市内で警察官が射殺される事件が発生したのを受けて行われた。その少し前にも、警察職員がイスラム過激化の男性により刺殺される事件が発生しており、警察官らは、警察に対する暴力が急増していると主張、警察を狙う暴力に対する処罰強化などの対応を政府と立法府に対して要求した。
ダルマナン内相は、政府の許可を得て抗議集会に列席し、警察官らと意見を交換したが、警察官らにやじられる場面もあった。内相の抗議集会への列席を巡っては、前日の代表質問で、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」の所属議員が不適切と批判する一幕もあり、論争となっていた。そのLFIは、抗議集会への列席を拒否したが、他の政党は、極右RNをはじめとして、いずれも代表が列席し、警察官への支持の念を表明した。
同日に下院では司法改革法案が審議され、警察官射殺事件を受けて政府が約束した措置(警察官を被害者とする重罪における終身刑判決で減刑不可期間を22年から30年に引き上げる、警察官を被害者とする暴力事件について自動的な減刑措置を適用しない)が修正案の形で審議されたが、警察官組合側が要求している「治安部隊隊員に対する暴力への刑罰最低限の設定」については、ダルマナン内相は、効果が得られないとして、導入に引き続き反対する姿勢を示した。