リバティ・スチール、傘下の仏2社を売却か

英鉄鋼大手リバティ・スチールが傘下の仏2社の売却先探しに着手したことが明らかになった。英金融グリーンシル破綻の影響で、売却の検討に着手した。
対象となるのは、ノール県サンソーブ市にあるアスコバル社と、モーゼル県アヤンジュ市にあるレール工場(フランス・レール・インダストリー)。リバティ・スチールの親会社であるGFGアライアンス(インド系実業家のサンジーブ・グプタ氏が保有)が、グリーンシル破綻の影響で資金繰りに行き詰まっていることが背景にある。リバティは資金力に物を言わせて経営難の欧州企業を買収して事業規模を拡大してきた。仏2社の買収もその好例だが、グリーンシルの破綻によりリバティの成長戦略も行き詰まった。リバティは、リファイナンスの方法を探る中で、不調に終わった場合の最後の手段として売却を検討していると説明、事業継続を諦めていないことを明らかにしている。
フランス・レール・インダストリーは、アスコバルの最大顧客であり、生産の80%が同社向けとなっている。2019年には、仏国鉄SNCFのインフラ部門から、14万トンのレール用鋼材の供給契約(2020年9月より4年間)を獲得しており、フランス経済にとっても戦略的な役割を担っている。アスコバルは、欧州でも最も先進的な電気アーク炉を備え、二酸化炭素排出量が低く、高品質のリサイクル鋼材を供給する能力がある。従業員数は、アスコバルが270人、アヤンジュ工場が430人。フランス政府は、当座の資金繰り支援を目的に、3月末時点でアスコバルに対して2000万ユーロの融資を行ったが、労組筋によると、2000万ユーロの追加融資が必要であるという。