金融商品詐欺の新トレンドは「陰謀論」

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日刊紙リベラシオンは29日付で、金融商品の詐欺の新傾向について報じた。新型コロナウイルス危機の下で、陰謀論に力を得た詐欺が目立っているとした。
インターネット上で花盛りの金融商品詐欺は、基本的に同じ仕組みを採用している。投資先の商品は、時々の流行に応じて、金や外貨、ワインや暗号資産など様々だが、アカウントを開かせて「投資」を始めさせて、最大限つぎ込ませた上で金を持ち逃げするという段取りになる。「投資」は実際には何にも対応しておらず、資金はただ詐欺団の外国の口座に流れ込むだけである。看板だけ取り換えれば容易に時々の旬の商品を売り込めるという利点がある。
このところ流行っているのが、陰謀論を論拠とする金融商品で、ここでは「安全」が商品となる。新型コロナウイルス危機をはじめとする現今の事件は世界を陰で操る有力者たちの陰謀であって、彼らはこれを機に世界の秩序を塗り替えようとしている。金融制度は破綻し、貯蓄者の資金は、債務返済等を名目として政府により没収されてしまう。その中で、政府の手が及ばない安全な場所に資産を確保するサービスを提供いたします、といった流れになる。セクト的なマインドコントロールの手法(家族や信頼できる人々から距離を置かせる、など)も用いられる。陰謀論はそのために格好の枠組みともなる。