2021年4月27日 編集後記

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欧州サッカーのスーパーリーグ構想が頓挫した。新型コロナウイルス危機の影響で、無観客試合が続き、各チームが減収を強いられているうえに、若年層の間でサッカー人気が低下していることを考慮し、欧州のトップクラスの12チームが新たなエリートリーグを立ち上げる、という野心的な計画だったのだが、競合することになるUEFAからはもちろんのこと、一般のファンやサポーターや多くのプレイヤーからも非難を浴びて、発表からわずか2日でポシャってしまった。
筆者を含めてサッカーファンの多くはこの構想が公表された途端に「あっちゃ~」と思ったはずだ。サッカーは、こういう奇妙なエリート主義とは全くそぐわないスポーツだからで、強い反発を招くのが一目瞭然だったからだ。案の定、庶民からサッカーを奪うような真似をするな、という批判が巻き起こった。
不思議なのは、3年前から慎重に準備を進めてきたというこのプロジェクトに対して、どのような世論の反応があるかを一度も事前調査しなかったのだろうか、という点だ。プロジェクトを提唱したのは、金儲けの上手なトップクラスの事業家たちなのだから、そのぐらいは考えそうなものだし、そういう調査を行っていれば、実現が無理なことはすぐに理解できたはずなのだが。。。いや、わざわざ調査などせずとも、ビールでも飲みながら、5分間考えてみればすむことなのだ。やはり、一般人の感覚からは程遠い大金が動くプロサッカーの世界で暮らしていると、そんな簡単な現実すら分からなくなるのだろうか。困ったものである。 もっとも我々自身も各自のレベルでは似たようなおかしな過ちを日々犯しているのかも知れない、と振り返ってみることで、スーパーリーグの失敗をせめて他山の石としてみたい。