マクロン大統領、高級官僚集団「グランコール」を廃止か

マクロン大統領が、「グランコール」と呼ばれる高級官僚集団を廃止する方針を固めた。ルモンド紙などが報じた。
大統領は先頃、高級官僚の養成校であるENA(国立行政学院)を廃止し、新たに設立する公務員養成校に切り替える方針を予告した。ENAの卒業生は、卒業時の席次に応じて、「グランコール」と呼ばれる組織に配属されることになっている。「グランコール」は狭義では、行政最高裁(コンセイユデタ)、会計検査院、財務監察総局(IGF)、行政監察総局(IGA)、社会問題観察総局(IGAS)の5つがある。最初の2つの組織は裁判所であるため、政府の決定では廃止できないが、あとの3つは行政府内の組織であり、廃止が技術的に可能である。合計で500人が所属しているが、新規配属を打ち切り、退職者を補充せずに数十年後に廃止するという。
IGFはマクロン大統領がかつて所属していた組織でもあり、数多くの政治家や官民の企業の経営者などを輩出したことで知られる。他の組織も事情は似ている。民間に転出しても復職が可能であり、天下りの悪しき慣習を助長し、国を牛耳る不透明な特権的集団の形成を招いているとする批判の声は以前からある。ただ、身分の保障には、官僚が閣僚の不興を買うのを恐れずに行動できるという利点もあり、安易に廃止論をぶち上げるのは大衆扇動的な誤りだとする声も聞かれる。政府は、行政機構における監察機能は残しつつ、監察官の身分を法律により保障するなどの措置を講じた上で、廃止に踏み切る考えだという。