行政最高裁、「通信記録の1年保存」義務を原則承認

行政最高裁(コンセイユデタ)は21日、通信記録の保存に関する規定を大筋で承認する判決を下した。個人情報の保護を訴える複数の市民団体と、通信事業者1社が起こした訴えを却下した。
政府は、テロ対策等の一環で、1年間に渡りすべての通信記録(通話内容を含まない通信記録で、日時や時間、通話先・接続先のデータ、携帯端末の位置を確認できるエリアのデータ)を保存することを、通信事業者に対して義務付けている。市民団体などは、これが欧州連合(EU)の法令に違反するとして訴えていた。
行政最高裁は、この件で欧州司法裁判所に法令解釈を明示するよう請求し、2020年に出された同裁判所の判断を踏まえて、今回の判決を下した。行政最高裁は、欧州司法裁の判断について、重大な脅威がある場合に限り、すべての通信記録の保存が認められるとする内容であり、情報機関によるそれらの記録へのアクセスに当たっては独立機関の事前の審査を要し、保存された記録の利用は裁判官の監督の下で行われなければならないと定めている、と分析。その上で、憲法上の規定である治安の維持という要請に基づいて行われる通信記録の網羅的な保存は適法であるとの判断を示した。ただし、行政裁判所の監督の下で、そのような網羅的な保存を行うことが必要な状況であるのかを定期的に審査することが、継続の条件であるとした。保存された記録を、治安維持以外の重大事件の捜査に用いることは、犯罪の重大性に照らして認められるとも判断した。その一方で、情報機関による記録へのアクセスについては、現行制度の下では、諮問機関CNCTRの意見を踏まえて首相が許可することになっているが、行政最高裁は、CNCTRの意見には拘束力がないため、欧州司法裁が下した判断に合致していない状況になっていると認定。そのため、しかるべき独立機関を設置して審査を行わせるような形に施行令を改めるよう、政府に対して命じた。6ヵ月以内の改正を命じた。