パリ政治学院の財団組織、次期理事長にベルトランドルレアック理事

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パリ政治学院(シアンスポ)の上位財団であるFNSPの次期理事長として、ローランス・ベルトランドルレアック理事(64才)が内定した。理事会が23人中20人の賛成で指名、5月10日までに正式決定される予定。
FNSPのオリビエ・デュアメル前理事長は、左派系の知識人で政界にも顔が利く大物だったが、義理の息子に対する性的暴行疑惑の浮上に伴い辞任し、大きな衝撃を与えていた。後任選びでは、女性政治学者のノナ・メイエール氏が有力候補として浮上していたが、イスラム分離主義の助けになるような研究を行っているなどとする横やりが右翼系の研究者から出され、人事が紛糾していた。メイエール氏は立候補を取りやめ、メイエール氏の就任を支持していたベルトランドルレアック氏が後任理事長となることでコンセンサスが成立した。
ベルトランドルレアック氏は女性で、専門は美術史と、パリ政治学院としては傍流に位置するが、2016年に理事会に入り、入学選抜の制度の見直しを主に担当してきた。女性理事長の選出により、デュアメル氏の事件で悪化したイメージの回復に取り組む。デュアメル氏に続いて辞任したミオン校長の後任選びが当座の課題となる。