次期大統領選、原子力も争点の一つに

ルモンド紙は15日付で、2022年の次期大統領選挙に向けて、原子力についての各陣営の対応をまとめた記事を掲載した。
国内の原子力発電所は更新が必要な時期に差し掛かっており、早期にリプレースの是非を決める必要がある。マクロン政権は、フラマンビル原子力発電所に建設中のEPR(第3世代加圧水型炉)が運転を開始してから決定を下す方針を示しており、これだと2023年以降ということになる。いずれにせよ、決定を下すのは次期政権ということになり、大統領選挙でも争点の一つに浮上することが考えられる。マクロン政権内部には、原子力の是非を巡る対立がある。ポンピリ現環境エネルギー相は脱原子力を後押ししているが、政権に協力する中道政党MODEMのバイルー党首は熱心に原子力の維持を訴えている。
迷いのあるマクロン政権に対して、保守陣営は概ね原子力推進派で、オードセーヌ地域圏のベルトラン議長は原子力支持を公言し、EPRを地域圏内に誘致する考えなどを明らかにしている。保守野党の共和党の有力者も軒並み推進派の信条を明らかにしている。唯一、イルドフランス地域圏(パリ首都圏)のペクレス議長は、再生可能エネルギーの推進と段階的な脱原子力を掲げている。極右政党RNのマリーヌ・ルペン党首は、2017年の前回大統領選では原子力の危険性を訴えていたが、宗旨替えをして現在では気候変動対策の柱として原子力を位置付けている。
他方、左派陣営では対応にばらつきがある。左翼政党「不服従のフランス(LFI)」のメランション下院議員が「2030年までの脱原子力」を掲げているが、大統領選への出馬に意欲を見せるモントブール元経済相(元社会党)は、欧州全体の二酸化炭素排出量を減らすという展望の中で原子力の必要性を訴えており、共産党も従来の方針通り、原子力推進の立場を示している。環境政党EELVは当然ながら脱原子力一色だが、社会党のフォール第一書記は、原子力を「移行のエネルギー」になりうると位置づけて、微妙かつ慎重な立場を示してい。