2021年4月13日 編集後記

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英国の北アイルランドでは、4月の初めから8夜連続で若者の暴動が続いていたが、9日にエディンバラ公フィリップ殿下が死去したため、自治政府の呼びかけにより、ユニオニスト(英国帰属派)系の若者は一時的にではあるが、示威行動を慎んだ。フィリップ殿下は死してなお、国の安全に寄与したわけで、近年は一連のスキャンダルなどで権威や品位が低下したといわれるものの、英王室に対する国民の敬意や愛着が再確認された。EU離脱が北アイルランドに新たな危機をもたらすことは、2016年の国民投票の時期からメイジャー元首相やブレア元首相が警告していたことで、予想通りの展開なのだが、離脱により自分たちの状況が改善するとナイーブに信じて離脱を支持したユニオニスト勢力は愚かとはいえ、哀れでもある。離脱はむしろ北アイルランドとアイルランド共和国の統一への動きを促している。人口でもユニオニストはナショナリスト (英国からの分離独立派)に対して劣勢になりつつあり、来年5月の自治議会選挙ではナショナリストを中軸とする新政府が発足する可能性も高まっている。そうなればまた一荒れありそうだが、スコットランドでも分離独立の気運が高まっているし、英国はいよいよ解体に向かうのかも知れない。