フランス政府は数日中に、2027年までの中期財政見通しを欧州委員会に提出する。新型コロナウイルス危機後の中期的な財政運営の展望を提示する。
政府はこの中で、2021年に5%、2022年に4%の経済成長率を達成し、2022年末までに危機前の水準に復帰するとの展望を示す。その後の経済成長率は減速し、2025年には1.4%程度に落ち着くと予想。政府はその前提に立って、財政赤字の対GDP比を2027年に2.8%にまで圧縮するとの展望を示すという。財政赤字の対GDP比は、2020年に9.2%まで膨張、2021年にも9%と高めの水準に留まるが、2022年には5.3%まで下がり、その後は徐々に低下を続ける。公的債務残高の対GDP比は、2019年の97.6%に対して、2020年には115.7%にまで跳ね上がった後、2021年にも117.8%と増加を続ける見込み。その後、2025年の118.3%をピークにわずかながら減少に転じ、2027年には117.7%を予想する。財政健全化の方法として、政府は増税の可能性を否定しており、歳出の抑制が残された手段となる。政府は、年間の歳出の実質増加率(物価上昇分を除外後)を平均0.7%に抑制する方針だが、これほどの抑制は過去40年間余りで前例がなく、実現は困難ともみられる。